事例紹介
シニア女性を対象とした新サービス開発のための調査
【某自動車メーカー様】
背景・課題
新市場の形成をねらい、ターゲットの1つとして「団塊の世代の女性」に着目した某自動車メーカー様。
同社内でも既にシニア世代に関する調査は行ってきていましたが、いわゆる「一般的な女性の価値観調査」ではなく、アシスティブテクノロジー(Assistive Technology)やジェロントロジー(Gerontology: 加齢学、老齢学)の考えからの自動車のあり方を提言することをねらい、当社へ検証調査の依頼をいただきました。
現状では、自動車の購入時・購入後ともに、例えば眼鏡や補聴器のように個人に合わせてカスタマイズやメンテナンスするサービス提供はされていません。
また、従来の「高齢者」像とは異なる志向が示唆される団塊世代を対象に、数年先の身体能力・意識の変化などから生じうるニーズにも対応した新製品・新サービスを開発していくために、同社内で共有する技術ポイントを明確化したいと考えていました。
方法
団塊世代の女性が70代半ばを迎えたときの着目すべき特徴と、それに対する技術ポイントを明確化し、具体的な商品・サービス像をご提案しました。
ターゲットとするシニア層の女性の心に響く商品・サービスを抽出し、仮説を構築
ここ数年に顕在した高齢女性向け商品・サービスから、時代が経つにつれて対象年齢が上がっていると推定される商品・サービスを選択、分析の対象として抽出し、それらの提供側が着目したと想定される高齢女性の特徴についてキーワードを整理しました。
デプス・インタビューにより構築した仮説を評価し、ニーズ調査
70代半ばを迎えた団塊女性を推定するため、現在60代半ばの女性と70代半ばの女性を対象に、商品・サービスに関する興味・現況について対面式のデプス・インタビューを実施し、ニーズ調査を行いました。
そのニーズに対応する、モビリティに必要な機能と技術のポイントをそれぞれ次のような軸でまとめました。
- デザイン的解決(形状や構造など)
- ソフトウェア的解決(センサーやコンピュータを利用)
- サービス的解決(ディーラーやメンテナンスなど人的サービス)
以上の調査結果を基に、とくに重要なポイントを抽出し、具体的な商品・サービス像をご提案しました。
提案内容(一部抜粋)
シニア女性が「乗りたい!」と思うモビリティの機能・技術
<注意力サポート>
加齢に伴い顕著になる認知的な注意力低下による不安を「視野角の確保」や「センサーシステム」などにより補い、しっかりサポート。
<選択欲サポート>
新シニア世代の女性は、主体的な価値観を持ち、かつ他者との関係性を大事にするからこそ、「時と場合に合わせて選択したい」欲にフレキシブルに対応。
ポイント
いわゆる「一般的な女性の価値観調査」ではなく、アシスティブテクノロジー(Assistive Technology)やジェロントロジー(Gerontology: 加齢学、老齢学)の考えからの自動車のあり方を提言することをねらった検証調査、ご提案をしました。