2018CSUN報告
セッション前日
2017年は、京都からの引っ越しなどでCSUNに参加できなかったので、今年は二年ぶりの参加となる。京大のY先生や毎日新聞のI記者とご一緒したのはもう二年も前なのか。
今年は、東京女子大の学生5名、新潟大の院生1名と、女子学生が6名もいて、とても華やかだった。企業や大学からの参加者も女性が多く、むしろ、男性が三名でマイノリティという状態の会となる。初日は午前中にサンディエゴに到着し、15時過ぎまでチェックインできないというので、みんなで動物園に行く。この会議、来年、サンディエゴからアナハイムに移るのだ。動物園は、Zooっと(ずうっと)前に行ったきりだったので、サンディエゴ最後の思い出にもう一回行きたくなってみんなを誘ってしまった。相変わらず広い!そして面白い!むかしはいなかったパンダがいて、可愛かった。一匹はものすごく活発に動き回り、もう一匹はずっと寝ていた。いろんな動物を生態に合わせて展示してあるのが、やっぱり好きである
園内を動く案内バスと、空中を飛ぶロープウェイが入園料に含まれている。ロープウェイの飛翔感覚ははんぱじゃない。楽しくて、3回も並んで乗ってしまった。鳥になったような感覚。遠くの海も見える。ここはまだダウンタウンのすぐそばなのに。4人定員で、補助犬は一人とカウントする。ベビーカーや車いすは隣接するカーゴで一緒に運ぶ。待っている間中、案内のビデオが流れていた。
空から何度もパンダ棟を確認。さっき寝ていた一頭が起きだしていた。上野で見るより長く見ることができたかも。
園内は基本的にアクセシブルである。これはアメリカであれば当然だ。車いすも、ベビーカーもたくさん自由に動いている。あらゆる施設がアクセシブルで、そうでないところには明確な但し書きがある。サービスのUDとしては、日本が見習うべきところはまだまだ多い。
Zooの外では、ずらっと並ぶシェアバイクや、キックスケーターにびっくり。中国ではたくさん見るけど、アメリカでもシェアビジネスは花盛りなんだ。これもICTの活用の成果だなあ。
なお、真面目にキーノートに出た人もいたことをお伝えしておこう。
夕方に乗継便でやってきた東女の学生さんと合流。林先生に学生たちを夕食に連れて行ってもらう。夜の宴会用のワインやつまみを買い出しに行く。私のリュックはワインが3本入る。でも重い。フムス(ひよこ豆のペースト)が人気だった。つい、自分の好みでガーリック味のものばかり選択してしまう。反省。おつまみに買ったオリーブに辛いハラペニョが混じっていて、ロシアンルーレット状態になる。アーティチョークの酢漬けを、鳥の足だと思った人がいたようだ。ま、日本ではこんなふうにでっかくは出さないものね。写真を撮り損ねたのが惜しい。この日は早めに宴会終了。
2日目
朝からめいっぱいセッションに参加する。GoogleとAmazonと法律系のセッションが同時刻にあったりして、すごく残念。あえて参加者を分散させようとしているのかもしれない。
朝一にものすごい数の参加者が集まっていたのは、LevelAccessの法律のセッションだった。激混みで入れなかったので隣のGoogleのアクセシビリティアップデートに行く。部門をまかされている障害当事者もどんどん増えているようだ。スイッチによるアクセス、スキャナー、字幕、G Suite等のアップデートに加え、GoogleMapの車いすルート検索(東京でも使えるそうだが!?)や、地元の障害当事者も参加するローカルガイドの紹介などがある。もちろん画面やUIは、アクセシブルだ。
アマゾンも同様である。アレクサの画面付きバージョンは、なんとなく使いやすそう。Kindleもどんどん進化している。FireTVが普及するとレンタルビデオというビジネスモデル自体が消えるんだろうなあ。日本語での音声リモコンもそれなりに使えそうだ。数年経ったら、家の中からPCは消えてしまうかしれないという印象はある。数年後も、OK,Googleと言っているのか、Alexaと呼び掛けているのか、いやもっとシンプルに言いたいことだけを言っているのかはわからないが。(アレクサ、というのが博多弁だと言いやすいと、夜の情報交換会で話題になる!)
会場では、なつかしい人にもたくさん出会った。(空港ではIBMのPhillに声をかけられてあせった。)もちろんWCAGのメンバーは健在で、たくさんの参加者がJudyやShadiのセッションを聞きに来ていた。米国、EU,中国の動向を語るというセッションに参加する。植木さんが来ていたので一緒に聞く。WCAG2.1ではモバイルや認知障害、学習障害などへの配慮が増えている。また、Webだけでなく、ダウンロード可能な取説や、オフラインでも使えるアプリも、アクセシビリティの対象となる。日本では数年前にJIS X8341-3を改定したばかりなので、2.1に対応させるタイミングが難しいと植木さんが話してくれた。EUのアクセシビリティ指令で、各国が今年中に法律を作らなくてはならないので、Webアクセシビリティは今後、当たり前になるだろう。追いついて行けない日本の企業はパッシングされるだけになる。中国では、浙江大学が中心となってガイドライン作りが急ピッチらしい。日本も昔は慶応大学SFCが中心となって世界を動かしていたのだが。数年前までは、このような世界の動向というセッションでは、日本の動向が語られることも多かったのに、今ではひとこと触れる程度になってしまった。世界の流れから取り残されていることを感じる。EUのように、法制化する方策はないのだろうか?
懐かしいという意味では、Harry Murphyにも会えた。健在である。
Gregg Vanderheidenも来ていた。今はMaryland大に移っているんだ。IBMのMattは、Facebookに移っていて、全盲の彼の仕切るセッションは大人気だったようで、混んでいて入れなかった。WGBHのMaderineにもばったり会う。日本にも来てくれたLarry Goldbergが引退してしまったいま、彼女がWGBHを牽引している。大きなおなかでCSUNに来ていた頃を思い出し、子どもは大きくなったかと聞いたら、「もう18よ、私よりはるかに背が高いわよ!」と言われてしまった。彼女がWGBHに就職したころからの知り合いだから、もう20年以上になるということか?!がんばっているなあ。NASAの持つ膨大なコンテンツをアクセシブルな教材にしていくというプロジェクトはとても面白そうだった。
Amazon AlexaとGoogle Homeの比較というセッションもわかりやすかった。障害のある人にとって、このような機器が家電を制御できるようになったら、どんな展開があるか、すでに使っている当事者の実例を交えて語られていた。かつては、「環境制御装置」として、電気やカーテン、電話やテレビを重度障害の人が使えるようにいろいろな接続を作っていたが、今では家電の制御も、どんどんユニバーサルになってきているのだ。この流れは歓迎だ。きちんとフィードバックできるか、戻りはあるか、などのUD7原則は適用してほしいと思うが。
この日の夜は今津養護の福島先生も加わって、みんなでイタリアンに行く。美味しかった。
3日目
今日はセッションもだが、ビジネスミーティングが二件入っていて忙しい。
Greggのセッションに出る。一頃は一世を風靡したGPIIのセッションなのだけど、ちょっと参加者が少なく残念。Jim Tobiasとか、プロジェクトの関係者も少なくて、もう終わったものになっているのかも。でも、高齢者がメールやカレンダーを使うUIとしては、とてもかわいくて良いと思うのだが。実際、会場からも、「おばあちゃんに紹介したい!」と声が上がっていた。今回、忙しくて、別のシニアトラックにほとんど行けなかったのが惜しい。
508条アップデートには、非常にたくさんの参加者が来ていた。86年に制定され、政府の公共調達をアクセシブルなものに限るとした法律は、99年に義務化され、罰則がついた。公的機関は当然で政府から助成金をもらっている大学や機関もすべて「アクセシブルなものしか買ってはならない」という状況になったのである。それ以降、世界中のIT企業が「アクセシブルなものしか作らない」という方向に舵を切った。IBMもMSもAppleも、アクセシビリティの専門部隊を置き、基本的な製品開発の前提としてアクセシビリティをベースラインに置いたのである。今回、それが大幅に見直された。機器とWebだけでなく、ICT全般ということで、508条と通信法255条が合体したのだ。ハード、ソフト、通信、サービスが一体化していく実情に合わせたと考えるべきだろう。アクセシビリティを進める方策の中に、UDへの理解という言葉があって嬉しくなる。
弊社では2001年の施行時点での508条は翻訳してサイトにアップしていたが、そろそろ次のバージョンの翻訳を行うべき時期に来ているかもしれないと思う。日本で誰か訳した人はいるのだろうか?
ランチタイムに現地でUXのコンサルとして起業した井出さんに会う。UCサンディエゴで日本語の教師もしていたそうで、彼の教え子が社員として一緒に来てくれた。明日は井出さんのオフィスを数名で訪問する予定である。
その次に会うはずだったフランスのWebアクセシビリティの企業の人とは、確認のメールをいれたら、なんと雪でフライトキャンセル!行けない!というメールが来た!結局会えなかった。惜しいなあ。先日、京都で一緒にセミナーをやった企業の方だったのに。CSUNを紹介した手前、ちょっと悔しかった。
この日は、東女の学生さんにミッションを出した。「今夜のレストランを君たちが探して予約してくださいね!」5名は力を合わせて、店探し、オーダー、会計と、全部をやってくれた。素晴らしい。食べられないものはありませんか?と参加者への気配りも。これもUDなんだよね。学生たちが予約してくれたお店も、大変に美味しかった。サンディエゴは歩いて行ける範囲にいい店が多く、楽しい。
4日目
この日もせっせと朝からセッションをはしごする。人気のセッションはGoogle,Amazon,Webアクセシビリティ、法律関係などである。スポンサーとして、アクセンチュアがかなりお金を出しているらしい。あちこちで名前を見る。だが、セッションがあるわけではないらしい。かつて、ここには、IBM、HPなどのコンピューター企業がずらっと並んでいた。次第にマイクロソフトになり、Appleになり、今ではGoogleである。時代の流れを感じる。研究内容もかつては肢体不自由なども多かったが、いまは視覚障害がやはり目立つ。CTG(Closing the Gap)に比べると情報障害系が増えるのは無理もない。聴覚は別の会議もあるのでやはりCSUNは視覚優位になる。で、その分、参加者の半分が視覚障害に見えてくる。膨大な数の白杖利用者、盲導犬ユーザーが廊下を並んで進む姿は壮観だ。みんな、普通である。見えてないなんて思えない。障害者が会場にやってきて、もし席が空いているのに見えなくて座れないときは誰かが空席まで案内する。でも、満席なら誰も替わることはない。先着順なのだから当然である。配慮はするが特別扱いはしない。これも合理的配慮の基本かもしれないと思う。
WGBHがNASAと行っているサイエンスの授業コンテンツを、初めからアクセシブルにするという試みも面白かった。科学技術のコンテンツをずっとアクセシブルにしてきたWGBHらしい内容だ。マデリンの発表はいつもながら切れ味がいい。ただ、参加者が意外に少なくもったいないと思った。昨日のGreggにせよ、かつてCSUNで一世を風靡した大学や企業の発表に人が集まらなくなっているのは、時代の流れとはいえ寂しいことである。
TeachAccessというプロジェクトも面白かった。Google, Facebook, MS の若いアクセシビリティ専門家たちがボランティアで始めたもので、今では多くのIT企業や大学が賛同し、政府機関からもファンドが出ている。
内容としては、大学教育におけるアクセシビリティの教育カリキュラムの策定や専門家育成である。ITエンジニアの1000分の1しか、アクセシビリティの専門家はいないのだという。確かに、日本でも大学のICT教育の中で、セキュリティは教えても、アクセシビリティを教えることはまれである。これでは理解のあるエンジニアが増えるわけがない。実際に企業の中でアクセシビリティに携わる若手社員たちが、みんながもっと大学時代から学んできていれば、と思うのは当たり前のことである。日本でも必要なことだが、はて、誰が音頭をとれるのだろうか?
ADAとインターネットというセッションもたくさんの人が来ていた。これまでのLaw Suitを含め、ADA違反でアクセシブルでないWebが訴えられた案件もたくさん紹介されていた。ドミノピザもMITも、訴えられていたんだ!これまでADA違反で訴えられたのは、建物のアクセシビリティやレストランの盲導犬拒否などが多かったが、Webアクセシビリティ違反が目立って増えているという。かなり高額の罰金が科される場合もあり、米国企業にとってのアクセシビリティは死活問題であると理解できる内容だった。
展示は今年も盛況だった。以前から気になっていたCaptionTellが、バージョンアップしている。
同じようなコンセプトの製品も増えており、モバイルに対応し、腕輪やグラスウェアとの連動もデモしていて、どんどんIOTっぽくなっていた。日本企業としては、今年から兼松がベンチャーと組んで新規に参入しており、新しい点字プロッターを出していた。サイズがコンパクトで、音も静かであり、図書館や一般の教室など、どこででも使えそうだ。こういう分野でベンチャーが出てくるのはいいことだと思う。
しかし、今年の展示の目玉は、なんといってもソニーだった。結構大きなブースで、初出展とは思えないくらいお客さんが入っていた。UDを熱く語る会の山崎さんが開発された、ネックスピーカーも展示されている。今回、何度か展示会場に行ったのだが、最後に、このネックスピーカーでクラシックを聴かせて頂いた。ギターがいいよと言っていたが、バッハのシャコンヌをユリア・フィッシャーの演奏で聴かせてもらう。わお。すごい。肩から全身に音楽がめぐる感じ。音楽が振動の芸術でもあることを思い出す。うわあ、やばい。これ、返したくない!!!!
最後に見た展示がこれでよかった。印象が素晴らしいものになったのだ。これ、欲しいなあ。あまりの人気で販売中止中だという。聴覚障害者にもウケルと思う。
夜は井出さんのご自宅兼仕事場にお邪魔する。会場からグリーンラインで1時間のSanteeという静かな町だ。最初にコストコにピザやワインを買いに行く。あまりの巨大さにあせる。ピザもとにかく大きい。ワインが安い。いかん。
井出さんのオフィスはいわゆるアメリカのSOHOで、玄関から入ってすぐのリビングに評価用のPCが3台あり、そこにテスターに座ってもらってWebサイトや製品を評価するようになっている。ここでの発話や表情、操作軌跡は、キッチンを超えて一番奥の部屋の大きなモニターに写される。4分割の画面があり、どれでも選べるようになっている。ホームオフィスとしては完璧である。小さなお子さんが二人いるとのことで、家の中にほほえましいおもちゃのキッチンがあったりして、とてもいい雰囲気だった。アメリカの家を思い出す。こんなふうに暮らしていたなあ。窓。冷蔵庫。バスルームの雰囲気。なつかしい。どこかデジャブである。
帰りはSanteeの駅まで送ってもらったのだが、次の電車は25分後ということで、Uberにトライする。以前、サンフランシスコでは何度も使っていたのだが、iPhoneを新しくしたので同じIDで使えるかどうか不安だったのだ。前は認証コードがメールで来ていたのに、今はSMSでしか受け取れないというので、これではWifiでしかアクセスしないわれわれ旅行者には結構使いにくい。井出さんのiPhoneでテザリングさせてもらってなんとか呼び出せた。ドライバーは、金曜と土曜の夜だけUberの運転手として働いてるという、栄養士だった。12歳と11歳の子供がいて、少しでも収入を増やそうと始めたそうである。
いつも思うのだが、Uberはごくごくまっとうな市民が、自分の時間と車を活用しようとしてドライバーになっていることが多い。まったく現金を扱わないので安全だし、何より海外で心配な「ぼられる」ということが一切ない。チップも後から好きなだけ追加するので、その場で気まずくなることもない。CSUNのセッションでは、視覚障害者がUberで人生が劇的に変わったと言っていたが、納得できる。ま、認証コードのSMS受けの問題さえクリアできれば、旅行者にとってもますます簡単なのだが。日本でも解禁してほしい。
5日目
最終日は土曜日だったので、リトルイタリーの朝市に行く。土曜の朝8時から行われているもので、リトルイタリーのそばに宿があることのメリットである。お花、野菜、果物や肉、魚はさすがに買えないが、他にも素敵なものがたくさん売ってある。前に来たときはクレープや生うにを食べたなあ。今回は、フムスやガーリックペーストの試食でおなか一杯になってしまったので、買い食いはしなかった。でも、生ウニの下に、ポキ(ハワイの料理でマグロ刺身の醤油和え)が入っている料理を、女子たちがわけわけして食べていたけど、美味しそうだったなあ。フムスやアーモンドバター、そして、有名なパン屋さんのサワードウを買って帰る。すごく甘いオレンジもあったがこれは違法なので止め。大急ぎで最後のパッキングを済ませる。
今回は、毎晩、私の部屋にみんなで集まって飲んだ。毎晩、ビールが6缶とワインが4本ずつ空いた。かつては添乗員の方の部屋で飲んでいたのだが、このところは私の部屋で飲んでいる。次第に終了が遅くなるので、片づけてから少しメールをチェックしていると、大体、寝るのが2時過ぎになる。時差ボケで全然眠くない。ただ、そのせいでセッション中に眠くて困る。ま、某先生のように、セッション会場で爆睡して、終わったのに気づかず、他の参加者に起こされるという状態には、私はならなかったが!9時から17時まで、かなり真面目にセッションや展示に出ていた気がする。東女の学生さんが、みんな優秀で可愛くて、実に楽しいナイトセッションだった。ソニー、MS、コンセントなど、ツアー外のたくさんの企業の方にも来ていただいた。毎晩良く飲んだなあ!
93年からずっと出てきたCSUNだが、来年はサンディエゴから、アナハイムに移動するという。LAXからどうやって移動するかも考えないと。
サンディエゴ空港は小さいのでPriorityPassのラウンジもなく、免税店も品数が少ない。この点では来年、LAXに戻るのは有難いな。出国ではボディスキャナーが全部に完備されているので、ものすごくスムーズにセキュリティチェックを通過できる。時間が余ったので、地元のブルワリーがやっている店で、IPAビールで乾杯。
映画は、行きは「ワンダーウーマン」。それに「はじめてのおもてなし」というドイツ映画。ナイジェリアからの難民を受け入れるドイツ人家庭の話で、ソーシャルインクルージョンの事例として素晴らしい。
帰りは音声が聞こえないというトラブルがあったが、聴覚障碍者モードだと割り切って字幕だけで「チャーチル」を観る。後から修理できて、今度はジュリアロバーツの「ワンダー 君は太陽」を見る。顔に障害のある男の子が、周囲に溶け込んでいくまでの葛藤を描いたもので、これもソーシャルインクルージョンの事例として秀逸だった。日本でも18年6月に公開されるそうだ。JALのサンディエゴ直行便は、いつもながら快適である。
しかし、成田に戻ってくると、今回は、結構時間がかかった。外国人だけが並ぶ必要があるラインに、それと知らずに日本人も並んでしまう。あまりに列が長いので係員が案内できないのだ。混んでいるときにも、日本人はこちら、という案内がないと、混乱を招いてしまう。また入国審査も、ものすごく時間がかかった。海外のようにフォーク型でなく列ごとに並ぶパターンだ。で、あらら、3列だと思ったのが、実は18番窓口への一列だったのね。隣より3倍時間がかかる!さらに担当者は研修中、の札がかかっていてかなりゆっくりである。私はそんなに焦ってないが、JRなどで指定券を持っているひとはかなりたいへんそうだった。
成田は、やはり混雑緩和のために、渋滞学などをもう一度見直して、スムーズな入国・出国・セキュリティチェックなどの方法を根本的にやり直す必要があると思う。デジタルサイネージももっと活用すべきだ。ものすごく混んでいるのに、担当者はぼうっと立っているだけである。何人かが壁の向こうへ消えるので、壁の先に何があるのか知りたくなる。もしかしたらもっとレーンがあるのだろうか?加藤さんが列を超えて走っていき、担当者に聞いてきた。自動化ゲートがあるので登録済みの人が進んでいるらしい。私は以前、登録はしたのだが、結局認識してくれなかった記憶があり、パスした。なんだか、成田空港も係員による案内が少ないので、情報が足りず不安になる。結局、かなり時間をかけてそこを通過した。やれやれである。
今回もみなさんと一緒にたくさんのことを学んだ。時代は変わるけど、ユニバーサルな社会を目指す思いは、まったく変わっていない。若い人が、それを受け継いで、どんどん育っていくといいな。参加してくださったみなさん、どうもありがとう。また日本でも会いましょう。