Home » レポート » ツアーレポート » 2011年度CSUNツアー » レポート:関根千佳 » 3月17日その3

2011年CSUNツアーレポート:関根千佳(6)

【3月17日 その3 リタイアメントコミュニティの見学-2】

次にモデルルームを見せて頂く。2ベッドルーム2バスルームの、標準的なお部屋だそうだが、その広さに驚く。100㎡はありそうだ。トイレもキッチンも、日本のワンルームくらいある。ウォークインクロゼットだけで日本のマンションの子供部屋くらいあるので笑える。

広いリビング キッチン ベッドルーム 2つめのバスルーム 書斎まである!

フィットネスジム、広いプールもある。ノリコさんによれば、年一回の定期検診は義務化されているそうだが、それ以外にも、専任のスタッフに健康プログラムを組んでもらい、さまざまなプログラムに参加して、健康管理ができるのだという。「ここに来てから、以前より、ずっと若く、元気になったわ」と、にこやかに応えていた。(写真:清潔なプール)213人も入れる集会室は、先日パソコン講習があったとかでスクール形式に机が並んでいたが、ダンスホールにもなり、パーティ会場にもなるという。

図書室の充実ぶりは本当に羨ましい。大小いくつもあり、最新作のコーナーや、なんとここの住人たちが書いた本のコーナーまである!で、拡大読書機や、大活字本のコーナーも、もちろんある。図書室の充実ぶりこそが、日本の同様の施設との違いを如実に物語るものだ。文化に対する姿勢の違いだろう。

拡大読書機はもちろん完備 大活字本はもちろん 住人の出版した本のコーナーも

食堂は4つもあって、毎日、好きなところで、三食、フルコースでいただける。これももちろん月々の料金に含まれているのだ。

料金に含まれるのは、これだけではない。隣接するケアセンターも拝見した。具合が悪くなると、この病院の治療、介護は、全て無料である。アメリカの病院は基本的に、治れば自分の部屋へ戻す方針なので、行き来はかなり自由だ。本当に終末期になれば、この病院で看取ってくれる。認知症専門のエリアもあるという。有料なのは、美容院やマニキュア、ペディキュア、エステサロンなどだが、これだって、市価よりはるかに安い!

思わず、一番小さな部屋の価格を見る。64㎡で、約1800万か。月額料金が約20万。うーむ、払えない金額ではない。ま、これは一人分だが。でも、二人めは、入居金が200万アップでいいし、月額も11万のアップでいい。食事や医療、健康管理などがトータルで含まれて、かつ、社会参加をどんどん促すようなプログラムが目白押しなのを考えれば、決して高いとはいえないだろう。日本の高齢者専用賃貸住宅の広さの基準が25㎡、介護付き有料老人ホームでは18㎡であることを考えると、一番安い64mが天国みたいに思えてくる。一番広いのは、一フロア全部を占有するとか言っていたけど、リストにある最大の部屋は271㎡もある。運動会が開けそうだ。

午後になると、お孫さんだろうか、子供たちが結構、頻繁に行きかう。考えてみれば、まったく、Gated communityではない。「そこにあるのが、ショッピングセンターです。本も食料もあるけど、街までシャトルバスもあるので、出かける人も多いですよ」そういう説明もあったっけ。そういえば、一階には外部の人が普通に入れるカフェもあったなあ。地元の美味しいワインやチーズが出るそうだ。

私自身は、田舎で温泉があって、気の置けない仲間とわいわい生きるのが楽しそうと思えるので、このハイソな雰囲気になじめるかどうかはわからない。だが、図書室の充実や、健康管理プログラムの楽しげな雰囲気は、できれば老後に、「あってほしいもの」の一つである。次第に日本でも増えては来ているようだが、大活字本や拡大読書機があるところを、残念ながら知らない。こういうところにも、アクセシビリティの重要性や、技術利用に対する姿勢の違いを感じてちょっと悔しい。

視察の後は、みんなで海辺のレストランへ。サラダ、チキンのグリル、フラン(焼きプリン)というメニューだったが、アメリカとしてはかなり美味なほうだった。満足。


Buzzurlにブックマーク Googleブックマークに登録 はてなブックマークに登録