2006年CSUNツアーレポート:榊原直樹(4)
4日目
セッション2日目。この日もセッションを中心に聞いてまわることになる。
AT Strategies To Improve Reading Cmprehension In sudents with Learing disabilites(8:00〜)
難読症を持つ生徒に対する教育的な指導方法に関するセッション。この中ではActive Readingという手法が取り上げられていた。Active Readingは受け身的に文章を読むのではなく、自ら積極的に読むことに取り組む手法である。読んで気になる点にラインを引いたり、要点をまとめたりしながら読んでいくことで読解力や思考力が上がっていくのだそうだ。
Planning for Accessible Video & DVD(9:20〜)
冒頭部分を聞き逃してしまったが、よい字幕とその作り方に関する説明。アメリカでは法律でテレビ番組に字幕を付けることが義務付けられている関係で、一般のビデオなどにも字幕を付ける機会が多いからか、多くの参加者がいた。
Universal Design & Web Accessibility (10:40〜)
今年はタイトルにユニバーサルデザインと付くセッションが多く見られた。去年までに無かった傾向である。入門的な内容で技術的に新しい内容はなかったが、講義の仕方がうまく、分かりやすくユニバーサルなWebの考え方を説明してくれる。アクセシビリティのテクニックの幾つかを紹介しながら、これを実現すると視覚障害者だけではなく、他の障害の人やサーチエンジンにとってもメリットがあると複数の人の立場で解説していく。教え方のいい参考になった。
Disabilies. (E) Voting & Access (3:05〜)
電子投票に関するセッション。アメリカでは2000年の大統領選挙でパンチ式の投票機のユーザビリティ上の問題点から、集計をやり直すなどの混乱があった。それを防ぐ目的で作られたHAVAという法律の中で電子投票機の普及が挙げられている。このHAVAの素晴らしいところには、電子投票機に対するアクセシビリティを実現するようにという条項が盛り込まれていることだ。このセッションでは2004年の大統領選挙の際に使われた電子投票機に関する調査結果の発表であった。電子投票機に関しては選挙前からいろいろと問題がありそうだということは知られていたが、こうして調査結果を見ると改めて大変だということが分かる。投票機本体の性能は勿論だが、特にその扱いに関する人的な教育訓練は重要な課題になるだろう。
Emergency Preparedness & Warning system (4:25〜)
国立リハビリテーションセンターの河村先生らの発表。WSISでの報告も一部含まれていた。河村先生は主に自閉症の方に対する防災システムを構築しようと研究されており、1月には日本国内でもセミナーが開かれている。自閉症の方に対する十分なサポートが提供できるようになれば、他の多くの人にも役に立つシステムが作れるとおっしゃっていたのが印象的だ。
朝から連続して英語を聞き続けるのは体力がいるのか、この日は疲れてしまって夕食も食べずに寝たしまった。