2006年CSUNツアーレポート:榊原直樹(2)
2日目
本日は2件の視察が入っていました。昨夜は早めに寝たので比較的らくに起きることが出来ました。時差ボケはうまくとれたようです。 1件目は某社のデザインスタジオを訪問。開放的なオフィスでライススタイルをベースに考えるデザインを展開中とのこと。同行した皆さんからオフィスの環境に対して「いいなー」が連発された見学でした。
午後からはオレンジカウンティにあるGoodwill Industries of Orange Countyを訪問。ここは障害者向けのトレーニングと授産を兼ねた施設です。リサイクルやアセンブリー、クリーニングなど適正や希望に合わせて、様々な職業訓練を実際に働きながら受けることが出来るそうです。
いずれも日本の福祉作業所でやっているビジネスモデルなのですが、なぜここではこれほどうまく成功しているのでしょう? この団体がビジネスとして成功しているポイントは2つあると思います。
1つはスケールメリットを最大限に活かしていることです。広大に土地に巨大な倉庫と広い作業所、たくさんの労働力を集めて仕事をすることによって効率が良くなっています。また、ビジネスが大きくなれば内部でも様々な役割が必要になってくるので、利用者の方の個性に合わせた仕事も選びやすくなります。
もう一つはメキシコに近いという地理的なメリットを活かしていること。リサイクルショップ部門はカリフォルニア州内に16の直営店舗を持っているのですが、店舗に製品が置かれている時間は1ヶ月程度のこと。この期間に売れない商品は回収されメキシコのお店に移され、そこで安く販売されます。このように商品の機会損失を下げる工夫とグローバリゼーションによる価格差をうまく利用しています。
また、リサイクル製品の中にはプレミアが付いているものが混ざっています。そのような製品は店舗ではなく、eBayのオークションに出品して高値で取引をしているそうです。
様々な工夫を凝らしてビジネスの価値を高める努力が感じられました。何より働いている人達がみんないい人なのがよかった。