2006年CSUNツアーレポート:今井朝子(5)
2.CSUN会議における口頭発表の紹介
2.4 高齢者支援に関する発表
タイトル:Assistive AI Technology And The Elderly
発表者:Donald Egolf
所属:Univ. of Pittsburgh
ピッツバーグ大学の教授によるスライドなしの口頭発表であった。部屋に入ると、高齢のDr. Eglofが車椅子に座っており、参加者とディスカッションをしながら発表を行った。主に「新しい技術を高齢者を支援するためにどのように使ったらよいか?」についてのディスカッションであった。技術としては、Pearlという介護ロボットが紹介された。Pearlは老人ホームに居る高齢者に薬を飲む時間を伝えたり、簡単なおしゃべりができるそうである。また、ハイテク介護施設であるOatfield Estatesが紹介された(参考1)。Oatfield Estatesでは、安全を守るために監視カメラがいたるところに配置され、全ての人がネックレスをしており、そのネックレスがトラックされている。また、現在の情報だけでなく、過去の情報も得られるようになっている。個人情報を取得される人と、する人の間に信頼関係があれば、このような形で個人情報が監視されても問題はなかったそうである。最後に
Technologies create new reality. You have to deal with the new reality.
と言っていた。アメリカの高齢者は技術に対する抵抗が、日本よりも小さいのかもしれない。
タイトル:Workplace Accomodations for Older Workers
発表者:Lynzee Head
所属:RERC on Work place
高齢者を雇用する際に考慮しなければならない問題には、作業効率の低下、安全性の問題がある。解決方法としては、既存の建物をアクセシブルにする、仕事内容の再構成、パートタイムなどの仕事時間の変更、支援技術の提供などが考えられる。職場における問題を知るために、「仕事の遂行に支障をきたすような事項はありますか?」という質問を55から64歳の人に500名に電話で質問したが、2名からしか回答を得られなかった。労働者自身が語らないこと、正式でない簡易の方法で解決している場合が多いことから、仕事環境に関する要求の受け入れ状態を調査することは難しいという結論であった。