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2005年CSUNツアーレポート:関根千佳(4)

3月17日 発表練習に明け暮れる

写真:発表する今井翌日からは、榊原と今井のプレゼンテーションの準備に入る。 榊原は今度JIS規格として出す予定のテレコミュニケーションに関するアクセシビリティの解説であり、今井はこれまでやってきた「やおよろずプロジェクト」の成果発表で、GPSカメラ付き携帯電話で市民が出す街のアクセシビリティ情報を、WebGISなどを用いてコミュニティで共有するというものだ。 最初は、榊原の発表は、背景など周辺情報が多すぎてJISの内容がどんなものなのか見えてこず、あんこの見えない皮ばっかりのおまんじゅうのようだったが、周辺情報をばっさり切って内容に絞ったので、最終プレゼンはうまくいった。今井は実にロジカルできちんとした論文発表の形式を踏んでおり、ほとんど直すところはなかったが、このCSUNで発表するからには、障害当事者にとっての意義がうまく伝わらない気がしたので、結論を少し追加してもらった。ま、魚の骨が明確に見えていて論理はわかりやすいのだが、肉がほとんどないのでちょっと美味しそうに見えない、と例えればいいだろうか?だが彼女は、履歴書に、特技「英語のプレゼンテーション」と書いてきただけあって、本当に見事なプレゼンをする。 たまたま電気の故障でエレベーターが動かない時間にぶつかってしまい、英語圏の参加者が余り多くなかったのが残念だった。来年はもっとアトラクティブな題名にして、もっとたくさん彼女の発表を聞きに来てほしいと思った。 

今回は、とにかく人数が多すぎて、テクニカルビジットを作るのがものすごく難しかった。もともと、アメリカの障害者支援センターはささやかな規模のところが多い。 多くても15人くらいしか受け入れ態勢がない場合が多く、今回、最初から45人も!という条件ではなかなかな決まらなかった。最後の頼みの綱だったCSUN大学も、結局Bud Riserが辞任していたために話がまとまらなかったのである。ドライなアメリカこそ、やはり人脈がキーなので彼を失ったことは私たちにとって大きな損失だった。で、グレートリピーターのSさんが、数人の学生さんをできればコンピュータアクセスセンターに連れてきたいという話をしたのが、なぜか全員に伝わってしまったらしく、CACへ行く当日の朝、なんとロビーには30人が集まったのだ。ま、ここは数年前に訪れた場所であり、地域での支援としては非常にレベルが高いので見学に行くには素晴らしい場所なのだが、アクセシブルな車もなく、タクシー分乗と言っても30人にもなると、Sさんはてんてこ舞いだったらしい。私たちもJTBも、ほとんどサポートできない状況だったので、後から聞いた話ではあるが。学生さんも、自分たちで出かけると決めたときは、全部をおんぶにだっこではなく、なんらかの段取りをつけるとか、人数を数えるのを手伝うとか、できることを見つけて自主的に動いてほしいなという気がした。せっかくの機会なんだから、もったいないじゃない。どんな場合にも、自分がボランタリーにできることはないのか、貢献できることはないのか、いつも気がけておくと、社会人としてはとても評価が上がるのだが。ま、最初は何していいかわからないよね。。。


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