セッション-4
ICDRI Update on Global Accessible Web policy and Law
Cynthia Waddleのセッション。
マニラ宣言に始まり、EUなどの動きを総括。508がカリフォルニアでは州政府の調達基準となってきたという部分が興味深かった。かつてサンノゼ市のアク
セシビリティ担当者として、連邦政府に対しても大きな発言力をもってきた彼女であるが、今は独立したコンサルタントである。
相変わらず各国を回り、各地の状況を知るために要人と接触し、幾多のプレゼンやコンサルを引き受けている。彼女のようなアクセシビリティコンサルタント
が、数多く出てきたというのが、508条以降の最も大きな流れかもしれない。Jacob Neilsenのようなユーザビリティコンサルタントだけではな
く、アクセシビリティも、アメリカでは一つの業界なのだ。
しかし、彼女が始めたばかりの、Webアクセシビリティのチェックサイト自身が、アクセシブルでないよ、と、指摘されたのには笑ってしまった。
「あら、それはもう修正されているはずだけど」
「そんなはずはないわ、だって、わたし、今アクセスしているんだもの」
常にリアルタイムで、セッションで紹介されたWebサイトはチェックされ、必要であればお気に入りに登録される。情報の量と圧倒的な即時性に、驚くばかりである。自社の英語サイトを思い出して、背筋が寒くなった。
Developing policy for making distance learning program accessible to everything
DOITを主催するワシントン大学のSherylのコース。
内容はアクセシブルなDistance Learningであったが、やはり今回、教育機関におけるユニバーサルデザインの話が非常に増えたという気がし
た。特にオンラインコースはアクセシブルに作りやすいため、このための方法論や技術的なテクニック、運用の注意点などを発表するものが多かった。この
Sherylのコースもその一つであったと言える。
もともと彼女たちは、障害を持つ高校生のためのアクセシブルなE-Learningのコースを開設していたため、この業界では老舗である。
技術的にはWAIを守るとかCSSを使うとかで、それほど特殊なことをしないという鉄則を守るべきという話が多かったように思われる。