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3月20日 プレコンファレンス Going Codeless

今日はGoing Codelessというセッションに参加する。UCLAの支援技術センターの研究発表である。もう長いコードにつながれた機器は時代遅れだ。音声認識、音声合成、Bluetooth, JINI, 無線LANに赤外線。機器はどんどん小型化し、それ自体がインテリジェントをもち、携帯電話やPDAがさまざまなWearable Computerとなって身の回りの家電を制御できる。かつて障害者が使っていたECS(環境制御装置)にあたるものが、ごく普通に販売されるようになるかもしれない。

Going Codelessで紹介されていた機器日本でもかなりこの部分の製品は進んできたが、今回はコードレスのキーボードやマウスを始め、多くの製品が並んでいた。音声認識と音声合成を組み合わせ、コードレスのイヤホン&ヘッドホンで無線を使ってパソコンから情報をとる、なんていう芸当もできる。ほとんどPCを使っているという感覚ではなくなるだろう。エージェントがもう少し賢くなり、音声認識がもう少し進化し(今回もデモは失敗した!)このヘッドホンそのものがCPUとIPアドレスを持てば、もうパソコンとつなぐ必要もない。ヘッドホン型ネットPCが可能になる日も近そうだ。実際、Webアクセスだけをこのヘッドフォンで行うソフトも出展されていた。Freedom Boxという音声認識と合成を一体化した製品は、ISPとリンクし、自分のセットしたジャンルのコンテンツを読み上げるものになるらしい。バッテリーやセキュリティなど、まだまだ問題はあるものの、今後、高度化・小型化するPCがわれわれの生活を劇的に変えることだけは間違いない。そのとき、技術は、ユニバーサルで、かつ実世界指向インターフェースであってほしいものだ。

前所長ハリー・マーフィと

かつてはVRのジャンルに入っていた視線や脳波コントロールも、今ではごく普通にこのコードレスのセッションに並んでいる。もはや特別なものではない。日本ではまだ知られていないヘッドコントロールは、ここではもうありふれた製品で仕様競争の時期を迎えている。なんだかここに来てこういった話をしているとごく当たり前の技術が、日本ではリハ関係者にさえほとんど知られていないということが、もう仕方の無いことなのだというあきらめにも似た気持ちになる。支援技術に対する理解も支援体制も、何もかも違うのだ。追いつこうなんて思ってはいけない。 

夕方はレセプションに行く。昨年まで障害者センター長だったHarry Murpfyに会う。元気そうだ。新センター長のBud Rizerの名前と顔がようやく一致する。昨年はフルコースディナーだったのに、今年はビュッフェで少しがっかり。でもしっかり飲んだ。


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