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「2000年 テクノロジーと障害者」会議ツアー :山本 夏江

CSUN 感想

 

今回のCSUNでまず感じたことは、障害者に対する一般社会の理解の浸透率が日本よりも高い。ということです。盲導犬の多さ、車椅子の多さ、日本ではなかなか無い光景です。 日本では障害者というと、周囲の人は構えて接しがちですが、CSUNでは障害など感じる気配はなく、活発な意見が飛び交っておりすごく楽しい場になっていました。

CSUNの講演内容を聞いて、漠然と思ったことがあります。「WIN95」が発売されるまえ80年代前半のコンピュータ業界です。機種にとっても依存されるソフトやゲームやデータの扱い。パソコンであればみんな同じようにどの機種でも仕事やゲームができれば良いなと思っておりました。
CSUNで紹介されたさまざまな技術も、今その時期にあるのではないかと思います。あと、10年ほどしたら社会的な動きも加わり何か明確な形ができる気配を感じました。 
学会の途中に突然訪問した、「COMPUTER ACCESS CENTER(以下CACとする)」について詳しく述べます。
CACは、利益を全く求めない消費者団体で、コンピュータの技術を必要としている障害を持った子供や、大人、またその家族を対象とした組織です。1986年に組織を設立し、現在にいたっています。 この組織について説明してくださったのは、代表のMary Annさん。CACの歴史はMary Annさんとその息子さんである障害者のDanielさんの生い立ちでもあるのではないかと私は感じました。 CACは、障害を持った子供を中心とし、単なる遊びからコンピュータを使っての学習、支援機器の使い方の訓練、ワープロの指導などさまざまな活動をしています。指導する人は学生や、CACの卒業生、などによって支えられています。
CACの活動費は、すべて寄付によるものです。会員の寄付や、行政、その他の団体からの寄付により活動しています。コンピュータなどの機器は、企業からの寄付などによるもの、活動資金からの購入があります。 医療とのつながりもCACは持っており、CACの環境では対応できない指導プログラムの場合、障害に応じて、もっとも適した病院などを紹介することもしています。
CACのような団体はアメリカでも少ないようです。これから、Mary Annさんを始め多くの方の呼びかけでCACのような組織が拡がることを期待します。

CACのWebサイト:http://www.cac.org/


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