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「2000年 テクノロジーと障害者」会議ツアー

3月23日 Hands Free Eyes Free

盲導犬だらけの展示会会場この日は出なくてはならないセッションが多すぎて、手分けしても廻れないくらいだった。わたしはWGBH/NCAMのメンバーの話しを中心に廻った。最初はLarry Goldbergの「字幕のA to Z」である。彼はNCAMで長く放送メディアとインターネットのアクセシビリティにかかわってきた中心人物だ。W3CのSMILなどのスペック確定にも大きな影響を及ぼしている。いま彼が携わっているのは、デジタル放送時代において、メディアのアクセシビリティをどう確保するかという研究である。インターネットと連動できる膨大な映像に、字幕はどのように付加され、それはわれわれの将来にどのような影響を及ぼすのか、Visionをもって取り組んでいる。

フォントも、サイズも、見せ方も、デジタル放送時代には自由に変更することができるデモを見せてもらったが、こういった情報を日本のデジタル放送関係者にもっと知ってほしいと思う。ただ、同じ時間にMagPieと呼ばれる字幕付加の新技術もWGBHから発表されていたため、見ることができなかった参加者も多い。惜しいことである。

この他、CD-ROMのアクセス・プロジェクトもWGBHから発表されていた。ここを知らずしてマルチメディアの最先端をかたることは難しいと思われる。

障害を持つ子供たちもお客様この他、Hands-Free、Eyes-Freeというキーワードが目立つ日となった。Henter-Joyceが発表したJawBoneというソフトは、Dragon DictateのNaturally Speakingと、Jawsを組み合わせたものである。まったく画面を見なくても、PCに触らなくても、声でPCをコントロールし、読上げた内容は、PCの合成音声でフィードバックされる。ほぼ完璧に動いていたが、やはりときどき音声認識がうまくいかず、プレゼンターが音声合成をとめようとして'Shut up!'と叫んだものがコマンドとしては認識されずに、データとして認識され、彼がパソコンから'Shut up!(黙れ!)と命令されて、会場は大爆笑の渦になってしまった。しかし、今後、ユニバーサルなユーザーインターフェースとして音声認識・合成が、中心になっていくのは間違い無いと思われる。今後が楽しみである。


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