「2000年テクノロジーと障害者」会議ツアー
3月18日 (その2) SF シビックセンター
入国審査を済ませてガイドさんに会う。小松さんという滞在23年というおじさまだ。お話好きでにくめない人柄だった。ただ、眠くってしょうがないメンバーにとっては、少ししゃべるのを休んでくれても、という目で見られていたようだ。
今日のSFは、見たこともないような快晴だった。まずツインピークスへ行く。SF中が見渡せる。湾の青と町の緑が美しい。丘は花が咲き乱れ、春が来たことを実感した。それからゴールデンゲートブリッジへ行く。白い帆のヨットがたくさん走っていてこれも美しかった。USの印象を、参加者はどのように見ただろうか?
昼食はできるだけアメリカっぽいものを、と頼んでおいたせいもあり、トニーローマでスペアリブだった。オニオンフライが、他店に比べて、いまいちおいしくなかったのが残念だった。とにかく量が多い。アイスクリームもおいしかったけど、とても全部は食べられなかった。
<シビックセンターとトーキングサイン>
2時になんとか間に合って、SF市立図書館に着く。Bill Crandlleが待っている。CityHall、オーディトリアム、図書館などを、トーキングサインを使いながら歩き回る。これはBillたちの会社と三菱プレシジョンが開発した、視覚障害者向けに情報を提供するシステムで、街や建物のあちこちに埋め込まれた電子案内版から発信される情報を、手元のレシーバーで受け取って音声化し、場所情報や位置を知る、というものである。
建物の中で、エレベーターの場所を教えてくれたり、横断歩道で道の方向を伝えたりしてくれる。さまざまな場所で試してみたが、かなり精度は高いと思われた。このCivic Centerまわりで埋め込まれているトーキングサインは870個ということである。SFのライトハウスは、市内の視覚障害者にレシーバーを貸し出しているとのことだったが、実際いくつ出されているかはわかっていない。
CityHallなどは、歴史的な建物にこのような電気的な追加をどのように行うかという点で参考になったし、方向性を持たせて情報をより正確に把握するという点でもなかなか細かい配慮がなされていた。このように大掛かりな情報提供システムというのは、世界でも類をみないかもしれない。ただ、わたしたちが英語をよく聞き取れなかったり、道の名前がわからないためにせっかくの情報が理解できなかったり、といった問題もあった。図書館では非常に細かい触地図もあったが、Billに言わせるとあまりにも細かくて、視覚障害者は結局は使えないとのことだった。たしかに、「You are Here」の場所を見つけるのは至難の技に思われた。
図書館には多くのトーキングサインがあったが、これを使っているとみんなから白い目で見られることに気づいた。騒がしいのだから無理もない。イヤホンと一緒に使うべきだったと反省。Billにお礼を言ってホテルにチェックインする。もとANAホテルだったというArgentホテルはなかなか美しい。すこし治安が悪いというSOMA地区に近かったため心配したが、このあたりは問題ないようだ。豪華なプライムリブの夕食で乾杯した。また多すぎてしまう。やっぱりアメリカの食事は量だと実感。