Home » レポート » ツアーレポート » CHI2001(シアトル) レポート » CHI本会議

4月4日 CHI本会議

TASを説明するNeil

朝からセッションにこもる。Webのユーザビリティでは私もよく参考にさせてもらった本の著者、Jared Spoolの話を聞く。この人は髪の薄い、実に面白いおじさんだ。Webに評価に50人も100人もいらないよ、8人、いや最低5人でも大丈夫!という話を、独特のジョークを交えながら機関銃のような勢いで話す。あまりロジカルでない話題を、いかにも学会風に仕立てているのがおかしく、このテクニックも参考にさせてもらおうと思った。重箱の隅をつつくような、いかにも学会風の話より、実際、なんぼかためになる。大学ではなく、実業の世界にいるメンバーのほうが、やっぱりはるかにしたたかで、このような機会をビジネスチャンスとして活用していることがわかってくる。だんだん、大学よりも企業系を多くとったほうが、はずれが少ないことも見えてきた。 Stanford大学のアルキメデスプロジェクトNeil Scootが、Total Access Systemのデモをするセッションは楽しみにしていたので迷わず受講する。こことも長いつきあいだ。京都や飯塚にエクステンションを置き、日本での普及に尽力している。自分の支援技術を仕込んだPCやPDAから、さまざまなターゲットホストへの指令を出すという方法は、今後のユビキタスの実例でもある。ターゲットがどんなOSのコンピュータでもかまわないという点が、多様なシステムを利用することの多い企業や大学内環境で必須だったことが伺える。ネットワーク時代への取り組みも紹介されていた。

意外に小さいTablet PC

そのまま続いて、Sun MicrosystemsのPeter ConeのJiniのデモを見る。CSUNで見ることができず、Earl Johnsonから絶対CHIでは見逃さないようにと言われていたセッションだ。音声認識可能な小型PCから、JINIを介して無線で接続されたさまざまな家電をオンオフしてみせる。扇風機、ライト、ヒーター、、、。

情報家電への取り組みとしては非常に先進的ではあるが、実際、Jiniがどれだけ業界標準になるかは見えていないので、普及はまだ未知数である。しかし、携帯電話やPDA,PCなどを越え、Wearableな、自分の好みや状況を熟知する機器が、さまざまな家電、ATM,自販機、KIOSKなどと自在に情報をやりとりするという、私の理想とするユビキタスな、かつユニバーサルなAR(Augmented Reality)の世界がまた一歩実現したようで、これはこれで非常に嬉しかった。
ランチをNeilやJudy, 沖電気の竹内さんとご一緒する。久しぶりにStanfordのメンバーとゆっくり話せてよかった。

午後はデモ会場を見る。夕方はノーバスの池田さんと企業レセプションをはしごする。MSでは昨日、Bill GatesがデモしていたTablet PCを触ってみた。 大きさはまあまあだが、重い。やっぱりIBMが小型機の開発を日本に一任したのは正しかった、、、などと思いだす。MS XPのユーザーインターフェースも真剣に触らせてテストした。本当は正式テスターの登録もしているのだが、どうもベータ版のOSを導入するのはこわくて気が進まない。 IBMの部屋にも行った。ここではデモがなくて残念だったが、ワインが飲み放題だったのでしっかり酔っ払ってしまった。


Buzzurlにブックマーク Googleブックマークに登録 はてなブックマークに登録