3月26日 米国政府主催508条セミナー
朝から池田さんと二人でタクシーで会場に向かう。すごく寒い。降ろされた場所が悪かったのか、会場を見つけるのに苦労した。会場はばかでかく、優に300人は入る。隣の部屋に豪華な朝食が準備してあり、喜んで食べた。果物がいっぱいあって嬉しい。真っ赤なオレンジが美味しかった。さて、会場は次第に埋まってくる。隣に座っているのは防衛省の調達担当者で、なかなか詳しい。508条を熟知しているものと思われた。日本の省庁の中に、障害者問題と最新の技術を両方わかっている人材って、果たして存在しているのだろうか?会場は8時の開始までには、なんと満員になっていた。
今回のワークショップは、FITAI(Federal IT Accessibity Initiative)が主催したもので、政府の調達関係者や関連メーカーに、508条の意義や調達基準について説明するのが目的である。これまでに全米の数箇所ですでに行われてきたらしいが、今回はさすがに調達関係者が一番多くいるワシントンのせいか、熱の入れ方が全く違っていたようだ。アクセスボードのDoug Wakefieldは相変わらずクリアで全部を掌握している。目が見えないということはとんでもない記憶力と判断力を持つことなのだと、全米が理解するのもこの人がいたからではないのかという気にさせてくれる。こわいくらい頭脳明晰だ。
オープニングはCrag。教育省のCIOである。彼はいわれなければ車椅子とはわからない。教育省には視覚障害、聴覚障害、車椅子ユーザーなど、多くの障害者が、非常に重要な職位についている。国の教育を司る機関が障害者を能力のある存在として扱うのもさもありなんという有能な人ばかりだ。Craigはしかし教育省の前は防衛省のCIOだったというのだから、アメリカ政府における障害者雇用は素晴らしいものがある。この背景があるからこその508条なのだ。さて、翻ってわが日本で、これが実際に実現するかというと、まさに寒いものがある。女性の登用でさえようやくなのに、果たして障害者に対して高等教育さえ門戸を開いていない状態で、こんな法律に意味が出るだろうか?
508条の詳しい説明やこの会の内容については別にまとめるのでそちらを参照してほしい。
午後はITAAのセッションに出たが、午前の方が面白かった。ただ、企業デモが併設されており、UNISYSなどの企業がどのように508対応を行っているか、資料が多く入手できたのは何よりであった。