2002年CSUNツアーレポート:関根千佳(10)
3月26日 Microsoft訪問
9時にUsability Labの見学を予約していたのでホテルの小型バスを頼む。5人乗りでちょうど良い大きさだ。しかし、キャンパス30の受付にKentの姿がない。10分すぎても現れず、少しあせってくる。受付嬢に調べてもらうが、電話は留守録だ。あせる。9時40分になって、電話が鳴った。「今から来るそうです。大変申し訳ないと言っています。」慌てて駆けつけた彼は、どうやらわれわれのアポをすっかり忘れていたらしい。何度もごめんごめんと謝っていた。ま、MSのスケジュールシステムも、やっぱり人が入れ忘れたら機能しないということの証拠だ。しかし、Labの見学では、Tablet PCのユーザビリティ評価を行っているシーンを実際に見ることができ、とても興奮した。まもなく発売されるというこのPC, 手書き文字の認識率はかなり高そうだ。手書き入力、ネット接続など、さまざまな機能の使い勝手を確認している。わたしは評価ラボ側と1対1で話し合いながら実験するタイプのユーザーテスティングは、これまで経験がなかったので新鮮だった。
その後、MSのアクセシビリティグループとのミーティングに入る。今回は日本のアクセシビリティ指針の状況説明だけで時間がなくなってしまい、米国の状況を全く聞けなくて残念だった。しかし、日本側からの情報発信の必要性を実感する。つたない英語でも、とにかく意志や状況を伝える努力を続けたい。発言がなければ存在しないのが、国際社会のルールなのだから。 MS ShopでマウスやEncartaなど、またもやパワーショッピングをしてしまう。光学式のコードレスマウスがたったの25ドル。今回はコードレスに始まり、コードレスに終わったような感がある。今年を象徴しているのかもしれない。 夕食はこれもMSのK氏に教わった近所の中華料理店へ。北京ダックは信じられないほど美味だった。おまけに安い。感動の最終ディナーであった。
シアトルはいいところだ。東海岸ほどWASPの強い世界ではないが、建物は東海岸やヨーロッパの面影がある。気候は適度に四季があり、樹や湖があって美しい。LAほど乾いていないし、それほど大きくないので移動に時間を要しない。こじんまりとまとまっていながら、機能的に上質なものが揃っているという印象だ。ワシントン大学も、これまで見てきたスタンフォードやMIT,UCLAなどと比べ、落ち着いた雰囲気で歩ける範囲にあり、学問には最適な環境だと思われた。機会があれば、1年ほどここで暮らしてみたい。アラスカにも近いので、オーロラも見にいけるかもしれない。雨は多いかもしれないが、それも乾いたLAやアリゾナからすれば幸せなことなのかもしれない。そんなことを思いながら、帰途についたのであった。See you again!