2007年CSUNツアーレポート:関根千佳(8)
3月23日(その1) 初めて会った可愛い介助犬
グレッグ・バンダーハイデンの話を聞きにいく。だが、内容はあまり進んでいない。どこかの学会で話していた、ユビキタス環境の話を少しだけ修正したもののように思える。なんとなく、Greggや、Larryの影響力が、CSUNでは薄くなってきたような気がする。ま、それだけ、若手が育ってきたということだと解釈しておこう。
いくつかのセッション会場で、熱心に質問をしている男性に何度か出会う。いつも犬を連れている。これが盲導犬や介助犬ならまだわかるのだが、かばんにちょこんと座っている本当にちっちゃな犬なのだ。セッションの間は、かばんからでて、飼い主のひざのまわりで遊んでいる。はて、これは、果たしてどういう種類の犬なのか?たまたまマリオットでばったり出会ったので、つい声をかけて聞いてみた。
「可愛いわんちゃんね、これはあなたのペット?それとも介助犬?」
彼は出し抜けに聞いてきた。
「君は犬を食べたことがあるかね?韓国では犬を食べるよね?」
私は面食らったが、ここでひるんではいけない。
「いえ、日本人は決して犬は食べないわ。この犬はなんていう名前なの?」
最初はちょっと攻撃的だった雰囲気は、徐々に和らいできた。ワンちゃんをかばんからテーブルの上に出し、首につけた札を見せてくれる。
「名前はクッキーというんだ。」(おいしそうな名前だ、と私は思う。うん、たべちゃいたいほど可愛いぞ。これこれ)
「でね、これが、介助犬の印だよ。サービスドッグの札をつけているだろう」
見せてくれたサービスドッグの札に、クッキーという名前が書いてある。いわゆるメンタルケアのための犬なのだろう。
「アニマルセラピーの一種なの?私は情報障害や肢体不自由の人のサービスドッグは何回も見たことがあるけど、こういう可愛い小さな犬は初めてだわ」
それから彼はいろいろと説明してくれたのだが、精神障害に全く詳しくない私には、残念ながら言葉がほとんど聴き取れなかった。ただ、Anxietyとか、Depressという言葉があったので、彼の不安を解消するために、必要な犬なのだということがよくわかった。たぶん日本ではまだ存在しないタイプの介助犬だ。これから出てくるのだろうか?たまたまCSUNのパッケージに入っていた雑誌Abilityの最初の記事もこれだった。精神障害の方に向けた介助犬が認知されていることに驚く。