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2007年CSUNツアーレポート:関根千佳(10)

3月24日 デモで面白かったもの&最終パーティ

今回はあまり展示会場でゆっくりできなかった。真面目にセッションに出すぎたのかもしれない。なんだか、よく見ないうちにデモが終わってしまったような印象だ。

材質が変わると音が変わって聞こえるK-Sonarのシステムでも、いくつかはそれなりに面白かった。例えば、K-Sonarは、視覚障害者が周囲の状況を把握するために、センサーで周辺の物質を捉え、物質ごとに違う音声で情報を伝えるというものである。人が通ると柔かい音、コンクリートブロックだと硬い雰囲気の音がする。森や木はまた違う音だ。昨年まで、マジックケインという白杖に赤外線センサーがついていて、振動で物体を知らせるものが人気だったが、今度のものは音声で物体の状況も少しわかる。杖に付属させるオプションもあった。結構安いのだ。本体が710ドルで、ヘッドフォンのセットは45ドルである。一人で家にいるときも、外でもどっちも使えるというのは良いことだ。
この分野はどんどん進歩しているというのが印象だ。これはニュージーランドの会社である。これまでは出てくることの少なかった世界中の企業が、どんどんこのジャンルに進出していくのがわかった。台湾や韓国のメーカーも健在である。日本も、テレソフトやKGSは気を吐いている。メインストリームの企業も、もっとこういうところで製品展示をしてほしいものだと思った。日本は世界で一番、ユニバーサルデザインの進んでいる国なのだから。

ビーチで遊ぶ子どもは天使のようだサンアンドムーンカフェ午後は恒例のショッピングと、サンアンドムーンカフェのパーティだ。今年もマンハッタンビーチのピアに行く。今日は暖かくて、みんなビーチで遊んでいる。子どもたちもかわいかった。おじ様たちは、若い女性がビーチバレーをしているのを、デジカメの拡大機能で眺めているようだ。

サンアンドムーンでは、パティオを借り切っていたのだが、席がちょっときちきちすぎたかもしれない。ここでのパーティももう来年はできないだろう。タンちゃんたちが、日本に帰国する予定だからだ。

来年、CSUNそのものも、どうやらこのヒルトンからルネッサンスに移るらしい。今年、なぜか3つのホテルで同時開催という、不思議な運用になったのも、来年への布石だったのだ。昨日、会場でCSUNの障害者センターの創立者、Harry Murphyを掴まえて理由を聞いたのだった。
「Labor Disputeだよ。」
彼は残念そうに言った。えっと、これって、労働争議ってことだったかな。ヒルトンホテルの労使紛争は、もう長く続いているらしい。その影響を受けて、来年以降はマリオットとルネッサンスでの開催になるのか。でも、ルネッサンスはヒルトンよりはるかに小さなホテルだ。果たして、全てのセッションはカバーできるのか?全員が揃うブレックファストミーティングは、ヒルトンでしかできなかったのに、来年はどうするのだろう?そして、私たちは、果たしてこのホテルに泊まれるのか?展示会は、場所が小さすぎるので、駐車場にテントを張って仮設の会場を作るのだという。うーむ、雨は少ない場所とはいえ、ITの展示会がテントでできるものなのだろうか?

不安はつきないが、ま、行ってみるしかないだろう。来年のこのCSUNツアーが、どんなものになるのか、まったくわからない。もしかしたら、ツアーとしては難しいかもしれない。それでも、世界のATとUDは、進んでいくだろう。もはや、CSUNを起点にして始まった、ITで多様な人々の生活を豊かにする、という技術の流れを、止めることはもうできないからだ。

ここのツアーに参加した多くの人々が、日本でATやUDを推進し、ITのポジティブな価値を社会に伝えるかぎり、このツアーの意義は消えないだろう。今年もそう思いながら、ツアーレポートを終えることにしよう。みなさん、ありがとう。また来年LAで会おうね。


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