W4A2008北京レポート(4)
電脳の街 中関村
20日は大雨だった。朝から、電脳の街として有名な中関村に出かけた。大雨なので、街角のKIOSK風の小さな店で傘を買った。25元だった。英語で「高 い」というと、英語がわからないのか、わからないふりなのか判然としないが、ただただ首をひっこめるばかり。傘がなくては始まらないので、しょうがなく言 い値で買った。ただ、買った傘はやや重いけれど、日本で500円で買う傘よりもしっかりしてて大きい。物は決して悪くない。最近の日本の安い傘は買った日 に風で壊れたりするから、それに比べればはるかにいい。何よりも、大きくて濡れない。
中関村には、とにかく、パソコン、電気製品、電子部品などなど、小さな店が数え切れないほどある。大きなビルでも、中はすべてテナントになっている。客引 きがすごい。通路を進んでいくと、中国語でどんどん声をかけられてなかなか先に進めない。店員はみな若く、女性の比率が高い。店に一人ぐらいは英語ができ る店員がいて、日本人と分かるとものすごい勢いで店内に引き込まれ、まず見るだけ見ろ、これは安い、いくらなら買う?とたたみかけてくる。「あっちにある Lenovoと同じスペックだけど、これはUS$760、どうだ安いだろう、買うか?」という感じだ。
Peking University Pacific Science and Technology Development Center の表示を見つけたが、どの建物かは不明。
交差点から少し入ったところ。「中関村e世界」の文字が見える。
大きなビルは、秋葉原のラジオデパートの通路を広くしたような構造で、中には小売店がひしめきあっている。SONY、CANON、Panasonic、 Lenobo、IBM、Toshiba、SUMSUNG、・・・と日本でもよく知られた店が多い。部品屋やLANケーブルの店などもある。ただ、ジャンク のようなものはあまりなかった。その代りに、ワンフロア全部がリペアマシン専門フロアになっていて、中では若いスタッフがノートパソコンを分解修理してい る。中古、リペアマシンが大きな市場になっているようだ。
日曜日だったこともあり、人がすごかった。最近の秋葉原はもっぱらコスプレやアニメの聖地になってしまったが、ここはLANカードやUSBメモリーの箱を 抱えた男、買ったばかりのパソコンの箱を抱えて友人の車の迎えを待つ若い女の子などで熱気があふれている。10年くらいまえの秋葉原に似ているのかもしれ ない。いずれにしても、この熱はすごい。今は、技術でも品質でも日本のほうが上なのだろうが、追い越されるのは時間の問題だろう。これに対抗するには、日 本の若者に科学技術に対する「熱」を取り戻させなければならないが、今の日本を見ていてそんなことができるとは到底思えない。